元カノの話(6)修羅場、突然の別れ

美那の父親に行為を見られた

美那の実家にお泊りした日の朝。美那の両親が仕事のため出勤し、家には美那と私(と犬)だけの状態。家に誰もいなかったので、美那は寝起きからすぐに私を求めてきました。明るい部屋でするのが新鮮で、パジャマの上から美那の体を触って、徐々にパジャマを脱がせていきました。家に誰もいないことを良いことに、美那は声を我慢せずホテルと変わらないぐらいの声量で喘いでいました。

美那の全裸を見ながら秘部に舌を差し込みそのまま吸い上げて、美那の甲高い喘ぎ声が和室の寝室に響いたと同時に、部屋のドアが開きました。

「あんたうちの娘に何やってるんだ!!」

思わずバッと体を離し、布団に裸を隠す私と美那。視線の先にはスーツ姿の美那の父親が鬼の形相で立っていました。美那の父親は会社でもかなり上の立場の人で、とても厳格な人でした。声優を目指す美那にいつも「そんな夢は無謀だ、諦めなさい」と言っていました。美那の父親は大きく目を見開いて、まっすぐに私を睨み付けてきました。

「あんた本当に美那の友人なのか!?毎回うちに来て美那に手を出していたのか!?」

美那
美那

実はあたしとらららは付き合ってるの!

だからこういうことしてたの!

関ららら
関ららら

お父さんずっと隠しててすみません。2年半ほど美那とお付き合いしています。

こんなタイミングでカミングアウトしてしまって申し訳ないです…

この時には美那と付き合って2年半になっていました。関ららら22歳、美那20歳です。体を隠して顔だけ出したみっともない状態で美那の父親と対面することになってしまいました。正直に打ち明けましたが美那の父親からの言葉は続きました。

呼ぶな気色悪い女同士で付き合っているだなんて気持ち悪い!あんたのせいで美那は道を踏み外したんだ!今後一切うちの娘には関わらないでくれ!」

「早く服を着てこの家から出て行ってくれ!そして二度と美那に会わないでくれ!」

美那
美那

お父さんごめん!そんなこと言わないで!

あたしはらららと別れたくない!

完全に修羅場です。美那は泣きじゃくっていて、私は頭が真っ白になってすぐにその場から動けませんでした。美那の父親は忘れ物を取りに一旦家に戻ってきて、その時に声がしたのでこの部屋に来たとのことでした。そして私がこの家から出るまで仕事には戻らないと言いました。そう告げられてしまったら動かない訳にはいきません。美那の父親が部屋を出て行ってから着替えて、帰宅の準備を進めました。

美那
美那

ねえやだよ、ららら帰らないで…

帰っちゃったらお別れになっちゃうよ…

関ららら
関ららら

お父さんにあそこまで言われてしまったらもう出ていかないと…

ごめん、美那…私もお別れはしたくないんだよ…

美那
美那

じゃあらららが帰ったあとにLINEするから!

お父さんに言われたからって簡単に別れたくない!

ひとまず身支度をして美那の父親がいるリビングに向かいました。そして「大人なら土下座をして謝れ、誠意を見せろ」と言われました。美那はそこまでしなくてもいい!と父親に言っていましたが、その言葉は無視されていました。私は美那の父親の前で土下座しました。

関ららら
関ららら

大事な娘さんに手を出して大変申し訳ございませんでした

涙が出そうになりましたがグッと堪えました。もう美那の父親の顔を見たくもありません。私はそのまま荷物を持って玄関に向かいました。美那が追いかけて来ようとしましたが、父親に腕を引かれて「あんなやつと関わるな!」と言われていました。犬のベリーも玄関先まで付いて来ようとしてくれました。けれど父親に「ハウス!」と言われ、ケージに戻っていきました。見送りもなく、私は家の前に停めさせてもらった車に向かい、そのまま実家に帰りました。

さよなら、大好きだったよ

私が実家に帰ったあと、その日の夜に美那からLINEが入っていました。この出来事は美那の母親にも伝わったようです。父親は同性同士で付き合っていることをずっと「気持ち悪い、どこで道を踏み外したんだ、あの女のせいか!?」と言っていたようです。反対に母親は私たちの関係性を知って驚いたようですが、美那の気持ちを尊重して父をなだめていたと。やや亭主関白ぎみな父親のようで、母の意見も全く聞く耳持たず、「あの女のことは忘れて男と付き合いなさい」と言われたと。

美那
美那

らららが帰ってからずっと泣いてる。こんなことであたしはらららと別れたくない。同性を好きになって何が悪いの…?

美那からのLINEを読んで苦しくなりました。タイミングが悪くて修羅場になったのはこちらにも原因があるけれど、どうして私がそこまで言われなきゃいけなかった?同性同士で付き合っているのは気持ち悪いの?付き合う前の美那の気持ちはわからないけれど、私は同性だからこそ色々考えて葛藤して美那に想いを打ち明けた。美那も私のことが好きだと言ってくれた。だから私のせいで美那は道を踏み外してなんかいない。

関ららら
関ららら

お互いこんなに好きで一緒にいて、喧嘩もしたけれど仲直りして2年半も続いて、コスプレもたくさんして、仕事も頑張って昇給して近い将来の話までしていたのに、どうして美那の父親の価値観で別れなきゃいけないの?

関ららら
関ららら

誰かに言われて別れるなんてバカバカしい。けれど、これから先の美那の幸せを願うのであれば、美那の父親が言う通り私じゃなくて異性と付き合う方がいいのかもしれない…

私の中でこのまま美那と別れることで意志が固まりつつありました。美那はまだ20歳。これから素敵な異性と出会って、付き合って結婚して子どもを生んで幸せな家庭を築いていくだろう。きっと美那の父親もそれを望んでいるはず。家庭を持って子どもを育てる極々普通の一般的な幸せを望んでる。私と付き合っていたらそんな一般的な幸せは手に入らない。

美那の別れたくないという意見も尊重すべきです。しかし厳格な美那の父はきっとそれを許さないでしょう。親子関係にも影響してしまいます。私のせいで美那と両親が険悪な雰囲気になってしまうことは望んでいません。これからの美那のためにも、私の方から身を引く方が賢明だと決心しました。

美那にはLINEで私の気持ちを伝えました。何度か電話がかかって来ましたが、私と電話をしていることが美那の父親に気づかれたらどうなるかわからないのであえて出ませんでした。

「私はこれからの美那の幸せを願ってる。私1人のせいでお父さんと美那の間に亀裂が入ってしまうのは申し訳ないし、今後美那とお父さんの関係性に影響してしまう。お父さんも美那のことを思って私と別れるように言ってきた部分もあると思う。本当は別れたくないのが本音ではあるけれど、美那の幸せのために、私からさよならするよ。付き合って2年半、友達期間も入れたら4年半。一緒にコスプレしてくれてありがとう。私のことを好きになってくれてありがとう。幸せになってね、大好きだよ」

こんな内容の長文LINEを送って、そっと美那のLINEをブロックしました。そして美那とお別れしてからコスプレするモチベーションが下がり、それからコスプレの頻度が減ってしまいました。妹と一緒に活動をしていても、美那もコスプレイヤーである以上どこかで接触があるかもしれません。顔を見るのも辛くて、これを機にコスプレを卒業することに決めました。

私は妹に起こった出来事を全て伝えて、美那とお別れしたこと、コスプレを辞めることを伝えました。一緒に活動していた妹は当時の彼氏(今は旦那)とコスプレをしていたので、私が辞めても問題ありませんでした。ちなみに妹はアラサーになった今でも現役で旦那君とコスプレを続けています。

写真のデータは妹に渡して、私のコスプレ衣装は既製品のものだけ、SNSでフリマの募集をかけてほぼ全て売って手放しました。一部の衣装とウィッグは妹にあげました。更新していたコスプレの個人サイトも閉鎖し、使っていた一眼レフカメラや撮影機材も売って、手元に残っているのはごく僅かな自分の写真のデータのみになりました。

あとがき

この子のために頑張りたい、長く一緒にいるために努力しよう。そう思って昇給のために資格を取ったり、コスプレ費用と美那に使う分のお金を分けたりとやりくりもしていました。10代の頃は他人に無関心だった私は、好きな人のためならここまで頑張れるのかと知ることができました。

恋人として美那と過ごした2年半はキラキラしてました。今思い出しても、あの時の私は純粋に美那のためを1番に考えて行動していたから眩しかった。同時に、男女のように完全にひとつになれない切なさも感じました。でもそのほんの少しの切なさのお陰で、美那とはお互い心の隙間を埋めるような精神的な繋がりができたんじゃないかなと思ってます。もちろん小さいことで喧嘩もあったけれどすぐ仲直りしたし、同性同士だからこそ寄り添うような気使いができていたのかもしれません。

今のところ美那の父親に行為しているところを見られたのが1番の修羅場です。この先修羅場があるとすれば…考えられるのは私とにな君の密会がバレた時なのかなぁと。そんなこと考えたくないけど…。

同性と付き合ったのはこの美那だけです。大好きで大切な人でした。素敵な経験をさせてくれた美那には感謝しています。

この後は異性としか付き合っていません。バイセクなので女性も恋愛対象ですが、今は寝袋君がいますし、この先女性を好きになることはあまり考えられないのかな?と思ってます。でもぶっちゃけ同性とまたセックスしたいなーとは頭の隅で考えちゃってるのは事実です笑

長くなってしまいましたがここまで読んでくださってありがとうございます!世の中の同性カップルさん達に対する偏見が少なくなる世の中になりますように!